トイレの床がたまに濡れる原因として、結露や便器の根元と並んで多いのが、トイレタンク自体や、その周辺部品からの水漏れです。タンクからの水漏れは、常に滴っているとは限らず、水を流した直後や、タンクに水がたまる過程など、特定のタイミングでのみ発生することがあり、原因の特定を難しくさせています。最も一般的な原因箇所の一つが、タンクの底で便器本体と接続している「密結ボルト」の緩みや、その部分に使われているゴムパッキンの劣化です。タンクと便器は、通常2本のボルトで固定されていますが、このボルトの締め付けが長年の使用で緩んだり、ゴムパッキンが硬化して弾力性を失ったりすると、水を流すたびにその衝撃で隙間から少量の水が漏れ出し、タンクの底を伝って床に滴り落ちることがあります。また、給水管がタンクに接続される部分の「給水フィルター付き水抜き栓」のパッキン劣化も、水漏れの好発箇所です。ここからの漏れは非常に微量なことが多く、時間をかけて床に水たまりを形成するため、「たまに」濡れているように感じられることがあります。さらに、見つけにくい原因として、タンク本体の「目に見えないひび割れ(ヘアラインクラック)」も考えられます。陶器製のタンクに何かがぶつかった衝撃などで微細な亀裂が入ると、普段は何ともなくても、タンクに水が満たされた時の水圧で、その亀裂から水がじわじわと滲み出してくることがあります。これらの原因を特定するためには、まずタンクの周囲を完全に乾かした上で、乾いたトイレットペーパーを各接続部(密結ボルトの根元、給水管の接続部など)に当てておき、何度かトイレを流してみて、どこが最初に湿るかを観察するのが有効です。また、タンク内に食紅などを数滴垂らし、水を流さずに数十分放置して、便器内に色のついた水が流れてこないか(フロートバルブの劣化)、あるいはタンクの外側に色が滲み出てこないかを確認する「色水テスト」も、漏水箇所の特定に役立ちます。
タンクからの水漏れ、たまにしか現れない原因を追跡する