忘れもしない、あの梅雨時の蒸し暑い夜。トイレの床が水浸しになっているのを発見した時の絶望感と、その後の復旧作業の壮絶さは、私の防災意識を根底から覆すほどの強烈な体験でした。止水栓を閉め、専門業者を待つ間、私は家中のバスタオルを犠牲にしながら、ひたすら水をかき出し続けました。小野市の排水口は水漏れ修理を交換してはこの一件を通じて、地震や台風といった大規模災害だけでなく、「家庭内で起こる局地的な水害」への備えがいかに重要かを痛感したのです。今回は、私の苦い経験から学んだ、トイレ水浸しという緊急事態において「これがあって本当に助かった!」と心から思える、意外と知られていない防災グッズについて、実体験を交えてご紹介したいと思います。 まず、私が「神グッズ」と崇めることになったのが、「高吸水性ポリマーシート」です。岩出市の水漏れトラブルに専門チームが修理をしても、おむつやペットシートにも使われている素材で、自重の何十倍、何百倍もの水を吸収し、ゲル状に固めてしまうという優れもの。水浸しになった床にこのシートを数枚敷いたところ、見る見るうちに水を吸い上げてくれ、バスタオルで何度も絞る作業とは比較にならないほど効率的に水分を除去することができました。特に、床と壁の隙間や、便器の根本といった、雑巾では拭き取りにくい場所の水分を根こそぎ吸い取ってくれる能力には感動すら覚えました。普段は介護用品やペット用品のコーナーに置かれていますが、家庭の水害対策として、数パック常備しておくことを強くお勧めします。 次に、意外な伏兵として大活躍したのが「ヘッドライト」です。両手が自由になるヘッドライトは、夜間の災害時には必須アイテムとして知られていますが、家庭内の水回りトラブルでもその威力は絶大でした。水漏れの原因を特定しようと、薄暗いシンク下やトイレのタンク裏を覗き込む際、片手で懐中電灯を持っていると思うように作業ができません。ヘッドライトがあれば、両手を使ってナットを締めたり、部品を確認したりと、正確で安全な作業が可能になります。私が原因箇所を特定し、業者に的確な状況説明ができたのも、このヘッドライトのおかげと言っても過言ではありません。キャンプ用のもので十分なので、ぜひ防災リュックだけでなく、家の工具箱にも一つ入れておいてください。 そして、精神的な支えとなってくれたのが「使い捨ての防水シューズカバー」です。これは、ビニール製の靴下のようなもので、靴の上から履くだけで足元が濡れるのを防いでくれます。水浸しの床を歩く際、靴下がびしょ濡れになる不快感は、パニック状態の心をさらに蝕みます。このシューズカバーのおかげで、私は足元の不快感を気にすることなく、復旧作業に集中することができました。また、修理業者が室内に入る際に、床を汚さないための配慮としても使え、一石二鳥のアイテムです。工事現場などで使われるプロ用のものも安価で手に入ります。 これらのグッズは、一見すると地味で、トイレの水害とは直接結びつかないように思えるかもしれません。しかし、実際に惨状を経験した私からすれば、これらは復旧作業の効率を劇的に向上させ、精神的な負担を大きく軽減してくれた、まさに「戦友」と呼ぶべき存在です。トイレの水浸しは、いつ、誰の身に降りかかってもおかしくありません。その「まさか」の日のために、バケツや雑巾といった基本的な備えに加えて、これらの少し専門的なアイテムを準備しておくこと。それが、悪夢のような時間を少しでも短く、そして少しでも快適に乗り切るための、経験者からの切実なアドバイスです。